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yesnos(イェスノス)はレザー製品を創作したり直したりカスタムしたりしています。
◀︎2020✂︎Tokyo▶︎
人や環境に優しい革製品をテーマに創作やカスタムの《活動》を開始しました。
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・オーダー内容

今回のオーダーはコンパクトな正方形の財布で小銭と折ったお札とカードが何枚か入る物が欲しいとのことでした。

ヒアリングを行う中で、デザインや仕様ももちろん大事ですがyesnosが重視しているのはお客様の趣味や嗜好、ライフスタイル等もしっかりと盛り込んだよりパーソナルでオンリーワンなものづくりを目指しておりますのでお話もかなり盛り上がり、どんどんオリジナリティーの高い逸品になっていきました。

毎回ある意味お客様一人一人とのコラボ企画を進めるような感覚です。

今回のお客様は音楽関係のご職業で、ギターの事にも大変詳しくヒアリング中の7割はギターの話だったように思います。

そんなこともあり、それでは財布をギターにしちゃいましょうという話になったのでエレキギターの代名詞の一つであるギブソン社のレスポールを題材にデザインを起こしました。

・このデザインの理由

近年急速にキャッシュレス化が進んだのと共に財布に求められる機能とデザインも大きく変化してきました。

今回のお客様も同様に、現金を使う頻度が下がり以前使用していた財布がちょうど小さくてパンツのバックポケットに収まるコンパクトウォレットだったのですが、残念ながら落として紛失してしまったので、今回は落としたら確実に分かる程度の重みというか「ある感」を重視しつつコンパクトな財布でエレキギターのレスポール感を忠実に再現してあるものとのオーダー内容になりました。

・レスポールとは

レスポール、レス・ポール・モデル(Les Paul Model)は、ギブソン社が1952年から製造・販売を行っているエレクトリック・ギター。フェンダー社のストラトキャスターモデルと並びエレキギターを代表するモデルとされています。
「レスポール」は、エレキギターの定番として極めて有名で、今やさまざまなブランドからレスポールタイプのギターがリリースされていますが、ギブソン社が1952年、フェンダー社の新製品「テレキャスター」に対抗して開発したのが始まりで、ギブソン(とその傘下のエピフォン)製こそが本物の「レスポール」であり、エレキギターを演奏する者、特にロックを演奏する者は、レスポールの存在を無視することができません。

ボディのバックにマホガニー、トップにハード・ロック・メイプル(別名イースタン・メイプル)と言う2種類の木材を貼り合わせた独特の構造を持つレスポールは1958年のサンバースト塗装の適用に当たりバイオリンやチェロ等の裏面に見られる継ぎ目から正対象に模様が出るブックマッチの2ピースとされ、今回のウォレットの元になったサンバースト塗装がより美しく表現されるようになりました。

・製作工程

レスポールの代表的な色にある「サンバースト」とは、楽器の中央から外側にかけて色が濃く、暗くなっていく着色方法で、当時のオリジナルの物は濃い着色が褪色して色の濃淡が出たようですが大まかに、

黄色→オレンジをティーバースト

黄色→赤をチェリーサンバースト

黄色→焦げ茶をタバコバースト

等と呼ばれており、この美しいグラデーションをレザーで再現する為にイタリアの高級レザーブランドのベルルッティーを筆頭に見られる「パティーヌ」という何色もの色を薄めながらレザーに手で染め込んでいく方法を採用し、ベルルッティーのような「革を手染め」した雰囲気ではなくあくまで「ギターのサンバースト」が持つ滑らかで自然に色が変化していくグラデーションを再現できるように慎重に少しづつ色を重ねてチェリーサンバーストをコンパクトウォレット上で再現しました。

ファスナー部分と表地を縫い合わせるをどうしてもステッチが表に見えてしまうのですが、、、ギターにステッチなんて無いのでどうしてもステッチ無しのしようにしたいなと思い、内部構造と表地を別々で作って最後に強力な接着剤で張り合わせてギターにあるクリーム色のバインディングと同じ色のコバ剤で周りを仕上げました。

オリジナルファスナー

今回、染めと共に特に拘ったのがファスナーの引き手部(スライダー)にオリジナル感を出す為にUKタイプのライダースジャケットに使用されるボールチェーンファスナーにレスポールのピックアップ・セレクタースイッチに使用されている樹脂製のノブを付けてより全体の「レスポール感」を出しました。

・仕上がり

世界中のミュージシャンに愛され、数えきれない数の名曲に使用されまた、伝説的な逸話を生み出してきたギブソン・レスポールを題材に今回のオーダーを製作出来たことは自身にとって本当に嬉しい事でした。

余談では御座いますが、私自身も高校生時代に必死でアルバイトに明け暮れて購入したGibsonのレスポール・スタンダードと、大切な友人に無理を言って譲ってもらったレスポール・デラックスを使用しており、これからも楽器シリーズには力を入れて行くのはもちろんの事、レスポールを題材にする時は特に気持ちが入ることと思われます。

木材特有の美しい木目をレザーで完全再現させる研究中でもありますので、いつかバリトラやキルテッドメイプルなんて柄も再現したいです。

経時変化と後日談

当時のオリジナル・レスポールはテクノロジーの面で今と違い塗装も薄く持ちも良くなかったのでヒビが入ったり剥がれたり褪色も激しいのですが、そのダメージ感といいますかレリック感がまたとても渋くてかっこいいなと思い、このウォレットも同じように経時変化で渋く変化していくようにフルベジタブルタンニン鞣しの牛革を使用して変化を楽しみながら使って頂けるようにお作りしました。

レザー・カスタムショップの「カスタムショップ」という概念は実はGibsonやFENDERからインスパイアされています。

数か月間お客様にガシガシ使用してもらい、変化を見せて頂いたのですがなかなか渋いレリック感が出ていて感無量でした!

ご注文ありがとうございました!

フルベジタブルタンニン鞣し牛ショルダー/コンパクト・ウォレット

・ヒアリング

・デザイン

・作成

・料金目安¥40,000~(+TAX) 

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